雨漏りはなぜ直さないといけないのか?

先日、管理している物件の最上階の部屋で天井付近から原因不明の水シミができるので直してほしいと入居者さんから連絡がありました。

最上階の天井付近の水シミなので、雨漏りを疑い、屋上に上がって、応急処置として、可能性のありそうなところをコーキング処理してみたりしましたが、問題は解決しません。しかも、雨が降っても水が出ないときもあるなど謎は深まるばかりです。

このような、漏水の原因特定は非常に難しく、簡単に解決しないことはしょっちゅうで、いつも苦労させられます。

安価に対処できるところは終わったので、いよいよ大規模に例えば屋上防水のやり直し等含めて検討しないといけないですね。という話になってきたのですが、オーナーが『今は資金的に苦しい』という話から

オ『そもそもなんで、漏水って直さないといけないんですか?』

と話がおかしな方向に。

管『なんで?と言われても、室内に雨漏りがあったら入居者さんイヤでしょ。』

オ『イヤとか感情の問題じゃなくて、なんでなんですか?』

管『それは・・・普通、雨漏りは直すでしょ?家賃もらってますやんか?』

オ『いや、だから、普通そうとかじゃなくて・・』

ちょっと険悪な雰囲気に・・確かに、そのシンプルな質問について、管理人は、いままで考えたことありませんでした。

そこで、後学のため、『なぜ、雨漏りは直さないといけないのか?』を理屈で考えてみます。

なぜ雨漏りは直さないといけないのか?

まず、民法には賃貸借について下記のように定められています。

民法 第601条【賃貸借】

賃貸借は、当事者の一方がある物の使用及び収益を相手方にさせることを約し、相手方がこれに対してその賃料を支払うことを約することによって、その効力を生ずる。

貸主と借主は賃貸借契約によって、お互いに義務を負っています。貸主は目的物(今回は部屋)を使用収益させることを約束し、借主はその対価に賃料を支払うことを約束します。

なので、貸主はその部屋が使えなくなった場合、きちんと使える状態に修理する義務もあるということです。これは民法606条にも別途定められています。

民法 第606条【賃貸物の修繕等】

① 賃貸人は、賃貸物の使用及び収益に必要な修繕をする義務を負う。

② 賃貸人が賃貸物の保存に必要な行為をしようとするときは、賃借人は、これを拒むことができない。

ただし、民法606条は強行規定ではないため、特約で排除することができますが、経年劣化等による通常損耗まで免除・排除することはできないと解されています。

(強行規定とは簡単にいうと、お互いが契約書等で合意したことであっても強行規定で定められていた場合は無効になる法律ということです。強行法規ともいいます。)

では、実際にどの程度、部屋が使えなかった場合、オーナーの修繕義務が発生するのか?というと『修繕をしないと借主が契約の目的に従った使用収益をすることができないかどうか』が判断基準となってきます。

『雨漏りは』が発生すれば、契約目的の『住居』としての目的を達成できるとはいいがたい。ということになるでしょう。なので修理が必要です。

オーナーが部屋を修繕しないことによって、部屋が使えない部分があった場合はその割合に応じて賃料の支払いの一部の支払いを拒むことができる。(最高裁昭和43年11月21日判決)といった判例もあるので注意が必要です。

簡単にいうと、こういうことです。

追記

よくよく見たら契約書ひな形にも書いてありました。

第8条(契約期間中の修繕)

貸主は、借主が本物件を使用するために必要な修繕を行わなければならない。この場合において、借主の故意または過失により必要となった修繕に要する費用は、借主が負担しなければならない。

今まで、当たり前にやってきすぎて、逆に答えに困る事例でした。

これに加え、『修理しないと躯体に水が回ってダメージがありますよ。』『早く対処しないと入居者さんが退去しちゃいますよ。』と早く対処することはオーナーの賃貸経営の必要事項であることもちゃんと伝えればよかったと思います。

これからは、似たようなことがあってもスムーズに回答できます。

ちなみに、今回の問題はよく調べてみると結局『雨漏り』ではなく『結露』が原因でして、断熱材追加工事を実施し無事解決しました。

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